この恋が運命じゃなくても、きみじゃなきゃダメだった。




悠聖は家に来る度に、あたしの部屋にも寄るようになった。

お目当てはゲーム。テレビ台の下には春斗の部屋から勝手に奪ったゲーム機とソフトが並んでいて、悠聖はそれを見ながら「今日はなにする?」なんて当然のように訊いてくる。

「チィ、今日これやろ」

ソフトを持ち上げてあたしに見せる。いいよと返事をして、コントローラーを持った。

悠聖は本当にゲームがうまくて、対戦すると毎回決まってボコボコに負かされる。

でも密かに負けず嫌いのあたしは何度も挑戦して、結局どうしても勝てなくて笑われて、最後は悠聖が飽きるかあたしがいじけて終わる。

それが一連の流れになっていた。

「お前、友達いねーの?」

「は? なんで?」

「俺が来る時いっつも家にいるから。よっぽど暇なんだなと思って」

毎日のように人の家に来る暇人に言われたくない。そもそも知り合ってからまだ二週間ちょっとくらいだし、会ったのだってまだ数える程度だ。それだけで決めつけないでほしい。

「友達くらいいるし。……でもその子、すっごい仲いい彼氏いるから。邪魔したくないし」

「へー。チィは男いねえの?」

悠聖は初めて会った日からあたしのことを『チィ』と呼んでいた。

生まれてこの方あだ名が『チナ』しかなかったあたしにとっては、ちょっと新鮮な響きだ。

「……彼氏はいないけど、よく遊ぶ男の子はいる」

「へー。付き合うの?」

質問しといて「へー」なんて空返事ばかり返さないでほしい。