なにが嫌だって、バカにされたことももちろんそうだけど、あたしより断然ゲームがうまい。
「お前、下手だな」
「うるさい。……春斗にもよく言われるけど」
ゲームを好きになったのは、ずっと春斗にくっついて遊んでいたから。
だけど武器やら防具やらボスやら、わからないことを全部任せていたあたしは一向にうまくならない。今でもたまに一緒にやるけれど、春斗はほとんどひとりでボスを倒してしまう。
「なんでそんなにうまいの?」
「天才だから。このシリーズ昔からよくやってたし」
「よくやってたからできるんじゃん。天才じゃないよ」
「他のゲームもだいたいできるんだよ。天才だろ?」
開始一時間(正しくは出会った瞬間からだけど)、すっかりバカにされていた。言い返しても全部返ってくる。
強気に出られないのは本当にうまいから。あたしが三日間も大苦戦していたボスを、あっという間に、いとも簡単に、「こんなんに勝てなかったの?」という世界一の巨大なお世話を添えて倒してしまった。
さすが春斗の友達だ。嫌味が上手すぎて最高にムカつく。
「ちょっと休憩」
両手を上げて大きく伸びをして、そのままベッドに倒れ込んだ。
人の部屋で、しかもベッドでそんなにくつろがないでほしい。
「仲いいよな、お前ら」
「……そう?」
悪くないとは思うけれど、いいかと訊かれたらよくわからない。まあ乃愛にもよく仲がいいと言われるし、そうなのかもしれない。
春斗との話をすると、決まって「ブラコン・シスコン」って笑われるし。
春斗が家にいないと……正直寂しいし。
「悠聖は兄弟いるの?」
「いるよ。兄貴と妹」


