この恋が運命じゃなくても、きみじゃなきゃダメだった。



「チナちゃん久しぶり」

バスで向かった待ち合わせ場所は、宗司くんと初めて会ったカラオケの近くにあるファーストフード店。

先に着いてドリンクを頼んでいたらしい宗司くんは、ストローをくわえたままあたしに手を振った。

みんなで遊ぶ時はだいたい駅前だから、ここなら乃愛も友哉も来ないだろうとあたしが指定した待ち合わせ場所。

「久しぶり」とだけ返して向かいに座った。

「チナちゃんが遊んでくれるなんて嬉しいよ」

「気が向いたから」

「頑張って誘った甲斐あったな」

「頑張ったっていうか、あれは『しつこい』のほうが正しいでしょ」

あたし、こんなに毒舌だったっけ。まるで興味のないどうでもいい相手だからか、気を使うこともなく思ったままの言葉が自然と口から出てくる。

アイスココアを注文して、ぺらぺらとしゃべる宗司くんの話に相槌を打ち続けていた。

「そういえばチナちゃん、彼氏できてないよね?」

「宗司くんと一緒にしないでよ。そんなすぐ誰かと付き合ったりしないし、彼氏いたら今日来たりしないから」

「ははは、ひっど。俺だって同じだよ」

「絶対嘘。どうせキープしてる女の子とかたくさんいるでしょ」

「なにそれ。俺がモテそうってこと? はは、嬉しいな」

なんでそうなるんだ。あたしがそういう意味で言ってるわけじゃないことくらいわかってるだろうに。なんかいちいち勘に触るな。

あたしが不機嫌丸出しのままなにを言ってもにこにこを崩さずにいる宗司くんは、やっぱり胡散臭くてしょうがない。

「ていうか、まさか彼女いないよね?」

「いたらショック受けてくれる?」