この恋が運命じゃなくても、きみじゃなきゃダメだった。



早百合ちゃんはしょっちゅう四組の教室に来た。席が離れたとはいえ、同じ教室にいるのだから嫌でも目に入る。

どうしてわざわざ教室の中で話すんだろう。まるであたしに見せつけているみたいだ。廊下で話せばいいのに。――ていうか、早く別れちゃえばいいのに。

……なんて、黒い感情ばかりが膨らんでいく。心の中で毒を吐き続けてしまう。

そんな自分が嫌で、楽しそうに笑っているふたりを見たくなくて、教室を出た。

好きな男の子に彼女がいたら、きっとすごく悲しい。

まさに今のあたしみたいに別れちゃえばいいのにって思うだろうし、実際に別れたら、きっと嬉しいし告白する。

そんなの当たり前のこと。あたしが逆の立場でも同じことをしていたかもしれないのに。

ふたりを見るのが辛いなら、あたしも乃愛みたいに、他に好きになれる人を探せばいい。他の誰かで埋めればいい。そうすればこんな思いをしなくて済む。

【いいよ。いつ?】

いい加減遊んでよ、と数日ぶりにきたメッセージにそう返信したのは、そんな半ば投げやりな気持ちだけだった。

すぐにきた返事には、明日遊ぼうと書いてあった。