ファーストキスの報告をすると、乃愛はものすごく喜んでいた。「おめでとう」とか「友哉よかったね」とか。

あたしに「友哉よかったね」と言われても困るのだけど、乃愛があまりにも喜ぶから、なんだかあたしも嬉しくなった。

夏休みが終わると、十月に開催される学校祭の準備期間に入る。乃愛とあたしは特になにもしないから、人手が必要そうな係があれば少し手伝ったりしてすぐに帰る日々。

目立ちたがり屋の友哉はいろいろやることがあるらしいから遅くまで残っていて、遊ぶ回数は少し減った。それでも週に何回かは一緒に帰るし、休日も会うのだけど。

友哉が早く終わる日は一緒に帰って、みんなで公園で遊んだり、たまに友哉が「今日うち行こう」と言えばあたしも「いいよ」と頷く。

その度にたくさん話してキスをして、夕日が沈み始めたら手を繋いで帰る。まあまあ家が近い友哉は、いつもあたしを家まで送ってくれた。

キスをする回数はどんどん増えていった。一日何回したかなんて数えられないほど、友哉は何度も何度もあたしに唇を重ねた。

あたしも初めての付き合いに少なからず舞い上がっていたのか、それなりに好奇心や興味が芽生えていて、慣れないドキドキ感が心地よかったし素直に嬉しかった。