この恋が運命じゃなくても、きみじゃなきゃダメだった。



避けられるようになってからあっという間に二週間が経っていた。

椎名がどんどん早百合ちゃんと仲良くなっているように見えるのは、きっと気のせいじゃないと思う。

「チナ。辛いのはわかるけど、ちゃんと話さなきゃ」

昼休み。給食を食べ終えたあたしたちは、椎名が教室から出ていったのを確認してから窓側に移動してひそひそと話していた。

「……うん。でも、怖くて」

メッセージを送っても、返してくれないんじゃないか。電話をしても、出てくれないんじゃないか。話しかけても、拒絶されるんじゃないか。しつこくしたら、嫌われるんじゃないか。

そんなことばかり考えていた。

すぐそばに椎名がいるのに、ちょっと手を伸ばせば届く距離なのに。振り向いた椎名の顔を想像すると、どうしようもなく怖い。

「気持ちはわかるけど……。でもせっかく好きになって付き合えたのに、このまま終わっていいの? 自然消滅になっちゃうよ?」

自然消滅。友哉と付き合っていた頃、あたしはそれを望んでいた。傷つけるのが嫌で、悪者になるのが嫌で、うやむやにしようとしていた。

好きな人に避けられることが、こんなに辛いなんて知らずに。

春に出会って、気持ちが通じ合って、彼女になって。夏には初めてキスをして幸せの絶頂だった。

冬がくる頃にはこうなっているなんて、想像さえしていなかった。