「あー……たぶん俺も避けられてるよ」

気まずい空気を瞬時に察した乃愛が友哉に話し、放課後三人で友哉の家に行った。

「今週ほとんど話してないし、話しかけてもあんまり反応ねえし」

「そっか。なんでだろ。あたし椎名になんか……」

したっけ。

言おうとして、気づいた。

あたしと友哉が避けられる原因に、ひとつだけ心当たりがあること。

「椎名、もしかして知っちゃったんじゃない?」

乃愛も気づいたらしく、眉根を寄せる。

「あたしと友哉が付き合ってたことだよね。それしかないよね……」

確証はない。だけど他に思い当たる節がない。

学校祭の最終日……金曜日までは普通だったのに、そのあとなにかあったんだろうか。誰かに聞いたのかもしれない。

最悪だ。やっぱり一緒に帰ればよかった。

椎名に訊いてみようか。本当に知ってしまっているとしたら、嫌われるのが怖くて嘘をついたあたしが悪いのだから、ちゃんと謝らなきゃいけない。

だけど避けるほど怒っているなら、許してもらえないかもしれない。

怖くて椎名に訊くことができず、避けられたまま毎日を過ごすことしかできなかった。