この恋が運命じゃなくても、きみじゃなきゃダメだった。



「シャイっていうか、普通に冷たくない?」

週末は必ずと言っていいほどお互いの家に泊まり合っている。今日はあたしの家。

氷とミルクティーが入ったグラスをガンと少し乱暴にテーブルに置いて、「友哉が可哀想」と大げさに泣き真似をした。

「冷たいの? あたしって」

「冷たいでしょ。付き合ってるんだからずっと連絡とるのは当たり前だと思うけど」

開けたばかりのポテチを頬張りながら、乃愛は呆れてみせた。

あたしは逃げるように目をそらしてアイスココアをひと口飲む。

「……だって、あたしはせっかくスマホ買ってもらったのに没収されたくないし、解約なんか絶対やだもん」

「チナ、ほんとに友哉のこと好きなの?」

疑いの目で見てくる乃愛は、中学に入ってすぐにできた一歳上の彼氏にゾッコンだ。

そんな乃愛を見ながら、まだ十二歳なのに彼氏だのなんだのってものすごくマセてるんじゃないか、と思ってしまうあたしは、乃愛の言う通り、やっぱり冷たいのかもしれない。

「とにかく、付き合ってどれくらいだっけ?」

「二週間くらいかな」

「まさか一回もチナから連絡したことないの?」

「え……だって、あたしからしなくても友哉からくるし」

事実を述べただけなのに、乃愛は幅の広い二重の大きな目をキッと鋭くしてあたしを睨んだ。

「たまにはチナから連絡してあげなよ。友哉が可哀想じゃん」

「そうかなあ。だって毎日学校で会えるし、休みの日はみんなで公園に溜まるからどっちにしろ会えるし」

友哉と出会った公園は早くも溜まり場になり、毎日のように自然と集まるようになっていた。今日だって乃愛の家に来る前は公園で遊んでいた。

だから毎日毎日会っているし、話だってたくさんするし、わざわざLINEまでしなくてもいいんじゃないかと思ってしまう。

いつも幸せそうに笑っている乃愛を羨ましいとすら思わないあたしは、もしかしたら恋愛なんて一生できないのかもしれない、と少しだけ悩んだ。