親公認で夜遊びができる数少ないシチュエーションを、あたしたちは存分に満喫した。友哉たちは夜遊びなんかしょっちゅうしているみたいだけど、あたしと乃愛は晩ご飯までには帰っている。
夏休みに、大好きな友達と、大好きな彼氏と、時間を忘れて遊べる特別な日。
嬉しくて嬉しくて、今日のあたしはいつになく素直だった。
「椎名、ちょっとふたりで話さない?」
椎名のTシャツの裾をつかんで……いや、つまんだのほうが正しい。
それくらいちょこっとだけ引っ張って、恐る恐る椎名を見上げた。
「いいけど……あ、じゃあ友哉に言ってくる」
「や、大丈夫! ちょっとだけだから! 大丈夫だと思う!」
あたしたちがいなくなれば、乃愛はあたしの考えに気づく。それできっと、友哉にも言ってくれる。それでそれで、友哉がみんなにうまく言ってくれる。
自分からみんなに「椎名とふたりきりになりたい」と言うのはどうしても恥ずかしくて、さりげなくこの場を抜けたいあたしは必死。
「そう? ならいいけど」
椎名が椎名でよかった。深読みしない、あまり訊いてこない椎名にたまに困るけれど、今日ばかりは助かった。
「えーっと、じゃあ……公園でも行く?」
いつも溜まっている公園はすぐ近くだ。せっかくのお祭りの日にわざわざ小さな公園に行く人なんていないだろうし、ふたりで話すには絶好の場所のはず。
「わかった」と無表情でうなずいた椎名と、緊張ですっかり熱くなったあたしは、会場を後にした。


