そんなこんなで（恋愛の師匠である乃愛様の行動力と助言を多大にお借りして）なんとか誕生した、不器用すぎる恋愛初心者のカップル。
付き合い始めた直後に開催された体育祭で大活躍した椎名（乃愛からしてみれば友哉のほうが大活躍したらしいけど）に惚れ直して、あたしはどんどんハマっていった。
夏休みなんかなくなればいいのにって思うくらい、毎日毎日、椎名に会いたかった。
けれど現実はなんとも非情だった。ものすごい勢いで加速していく気持ちに比例して、めでたくあたしたちのラブラブ度も急上昇していった――なんて、そんな都合のいい話はない。
椎名は相変わらず読めなかったし、あたしの意地っ張り病も症状が改善されることはなかった。
人間そう簡単には変わらないのだ。
