二十二歳になったあたしは、この物語が始まった──十二歳だった頃となにが変わったんだろう。少しは、ほんの少ーーーしくらいは、成長できていると思いたい。
逃げてばかりだった弱いあたし。
たくさん悩んでたくさん迷って、たくさん後悔もした。決して誇れるような物語ではなかった。
けれどあたしにとっては全部必要なことだった。間違わなければ、遠回りしなければ、気づけないことがたくさんあった。
これからどうなっていくんだろう。どんなことが待ち受けているんだろう。
ひとつだけわかるのは、ずっと平坦な道が続くわけじゃないということ。きっとまた、どうしても、大きな壁にぶつかってしまう瞬間があるのだと思う。
残念ながらあたしは相変わらず弱虫で意気地なしだから、きっとひとりじゃ越えられない。
だけど君とならきっと乗り越えられると思うんだ。
君がいてくれるのなら、あたしはきっと、なにがあっても大丈夫だと思うんだ。
「幸せにする」と言ってくれたね。嬉しいよ、すごく嬉しい。でもね。
あたしだって、君を幸せにしたいと思うんだよ。
君がつまずいてしまうことがあっても、隣にいたいと思うんだ。支えたいと思うんだ。君に手を差し伸べられるように、強くなりたいと思うんだ。
だからね、なんていうか。
幸せにしてもらうとか、幸せにしてあげるとかじゃなくてね。
一緒に、ふたりだけの幸せの形をつくっていこう。
ふたりで手を取り合って、同じ方向を向いて歩いていこう。
君との未来が、これからもずっと続いていくように。
「おかえり、悠聖」
これにて完結、文句なしのハッピーエンド──と言いたいところだけど、残念ながらあたしの物語はこれで終わりじゃない。まだまだ続いていくのだ。
あたしの物語、第三章の始まり。
END


