だけど、ずっとそうするわけにはいかない。本当に大切なことは自分で決めなきゃいけないんだ。

今までずっと守られてばかりだったあたしは、そんなことすら知らずにいた。

「悠聖くんってまだ東京なのかな。ひとりで大丈夫? あたしもついて行こうか?」

「いいなー東京。俺も行きてーな。お前らとならアズも許してくれるかも」

「あ、俺も行ってみたい。東京行ったことないし」

「ううん。大丈夫。ひとりで行く。乃愛がいたら、あたしまた甘えちゃうかもしれないから」

「おい俺らのこと無視すんな」

「あはは、冗談だよ。ごめんごめん。あ、でも、エール送ってほしい」

「え、エール? が、頑張れチナ! ほら友哉と椎名も!」

「お、おう! 頑張れ! 応援してる!」

「お土産よろしく」

「椎名……お前マイペースすぎ……」

「う、うん! ありがとう頑張る! お土産も買ってくるね!」

あまりにもぎこちない上にちょっとした茶番劇みたいになってしまったけれど、みんなに背中を押されて、しっかりとあたしのハートに火がついた。ような気がする。

なんだか可笑しくなってしまったあたしたちは、四人でバカみたいに笑い転げた。危うく呼吸困難に陥りそうなくらい、笑った。

絶対にそこまで面白くないはずなのに、あとから思い返したら「なんであんなことであんなに笑ったんだろう?」と思うだろうことはわかってるのに、笑いが止まらなかった。

──ああ、あたし、ひとりじゃないんだな。

顔を真っ赤にして笑っている三人を見ていたら、ふいにそう思えた。