この恋が運命じゃなくても、きみじゃなきゃダメだった。



「宗司くんにはたくさん助けられたし、本当に感謝してる。……ありがとう」

「は? なに急に。やめてそういうの。……まあ、そういうところが好きなんだろうけど」

宗司くんと出会った時、こんなことになるなんて夢にも思わなかった。

本当になんだかんだ長い付き合いになることも、いつからか宗司くんに甘えてしまっていることも、あたしを好きになってくれることも、プロポーズをされることも。

なにひとつ想像していなかった。

だけどもう、今日で本当に終わり。

プロポーズを断っておいてまだ甘えるなんて虫が良すぎる。

「やっぱり、今日は自分で帰るね。それで……もう宗司くんとは会わな──」

「いやだから、そういうのいいって。マジめんどくせえからいい加減にして。俺らが会わなくなってなんか意味ある? つーかわざわざそんなこと言わなくたって別に今までも大して会ってねえじゃん」

「あ、そ、そう……かな。そうだね、うん、ご、ごめん……なさい」

「送ってくから。俺今日から連休だしもともと実家帰るつもりだったしついでだから」

「あ、あの……はい。お願いします」

エンジン音が宗司くんの怒りの音に聞こえて、あたしの体はびくっと跳ねてしまった。

帰り道、宗司くんは多少怒りが鎮まったのか(ちょっと機嫌悪そうだったけど)普通に話してくれた。

あたしの家に着いて車をおりようとした時、

「チナちゃん」

急に呼ばれて、腕を引かれて、反射的に振り向いた。

ら。

「……え」

ほっぺにキスをされた。

「……ええ⁉︎ な、なにしてるの⁉︎」

「またねのチュー」

「ねえ! ここあたしの家の前なんだけど! 家族に見られたらどうするの⁉︎」

「車一台も停まってなくない? 誰かいるの?」

「あ、ほんとだ。誰もいない……って、そうじゃなくて! 意味わかんない! ほんっっっとに意味わかんない!」

「これくらいでなに動揺してんの? 処女じゃないんだから」

それ関係なくない?

ていうか宗司くん、最近ちょっとキャラ崩壊してない?