この恋が運命じゃなくても、きみじゃなきゃダメだった。



「……今度こそ本当に言い過ぎたから、お詫びにひとつ教えてあげる」

もう話してくれないと思ったのに、宗司くんはさっきよりもだいぶ落ち着いた口調でぽつりと言った。

「俺、悠聖くんに会ったよ。出張で東京行った時に。三ヶ月くらい前かな」

悠聖──まだ東京にいるんだ。

「なんで教えてくれなかったの?」

「は? 俺が教える義務ある?」

ないけど。ないんだけど。教えてくれたっていいじゃん。

ていうか自分から話振ってきたくせに怒るなんてひどい。

「……悠聖、なんか言ってた?」

「なんかって? チィ元気か、とか言われたかって話? それとも彼女とか結婚とかの話?」

「……もう。ごめんってば。なんでもない」

「気になるなら自分で訊きなよ。ずっと思ってたんだけど、引くほど未練たらっっったらのくせになんで連絡しないの? 悠聖くんから連絡くれるのずっと待ってんの? 怖くて自分から行動できないだけでしょ」

悔しい。ああもう、めちゃくちゃ悔しい。

……だって、宗司くんの言う通りだ。

今でも引きずってるのがあたしだけだったら。あたしのことなんてすっかり忘れて、もう別の人と幸せを育んでいたら。その現実を叩きつけられるのが怖くて、動けなかっただけ。

悠聖がくれた最後の愛を受け入れたいから──なんて、そんなの単なるかっこつけた言い訳と現実逃避でしかなかったんだ。

幸せになってほしいって、心から思えてたのかな。本当は、今でもあたしのことを考えていてほしかったんじゃないのかな。

幸せそうに微笑む悠聖を思い浮かべた時──その隣にいたのは、本当は、いつもあたしだったんじゃないのかな。

「……宗司くん」

「なに?」