あれから一週間、年の瀬。

もはや目眩すらしているあたしの視界には、SNS経由で送られてきた知らない人からのメッセージ。

【宗司の彼女だけど。話あるから会えない?】

陸の元カノの彼氏といい、このメッセージといい、知らない人からの連絡なんてロクなものじゃない。

会わなくたって話の内容はわかる。

宗司くんはやっぱり嘘つきだ。しかもかなりたちの悪い嘘つき。彼女いないって言ってたじゃん……。

なにしてるんだろう、あたし。

なにを考えてるんだろう、宗司くん。

ていうかSNSこわ。もうやめようかな……。

【わかりました】

指定されたのは翌日だった。場所は宗司くんの会社の近く、つまりは陸の家の近くのカフェだった。

あまり行きたくない場所だけど、文句を言えるわけもなく、渋々了承した。

何度も行った地域とはいえ、バスで行くのは初めてだった。いつも陸が送迎してくれていたからだ。

車で一時間ほどの距離だけど、バスのルートは遠回りになるし、さらに乗り換えもあるから、着く頃には家を出てから二時間近く経っていた。

毎回送り迎えをしてくれていた陸に、改めて感謝の気持ちが芽生える。まあ、それを伝えることはもうできないけれど。

指定されたカフェに入る。

顔がわからないのにどうしたらいいのかときょろきょろしていたら、すぐに「こっち」と声が聞こえて、そこには(当たり前だけど)知らない女の人が席に座っていた。

どうやらあたしの顔は割れていたらしい。SNSから連絡がきたわけだから不思議ではないけれど。