この恋が運命じゃなくても、きみじゃなきゃダメだった。



集合場所は、友哉と出会った、一年生の頃に勝手にたまり場として利用していた小さな公園。

「おー、やっと来た!」

いつメンである五・六人の輪からまず友哉が出てきて、続いて後ろから椎名もついてきた。ドキドキする。

友哉のすぐ後ろに立っている椎名にちらりと目を向けると、無表情のまま小さく「よ」と言われた。

「……よ」

あんなに会いたかったのに、たとえ「みんなで」でも誘ってくれたことが嬉しかったのに、なにか話したいのに、意気地なしのあたしはなにも言えない。

誘ってくれてありがとうとか、きっと友哉になら言えるのに口が動かない。

それなのに心臓だけは静まることを知らずにどっくんどっくんと騒がしく動いている。どうもあたしの体は言うことを聞かないらしい。

友哉と椎名以外のみんなも立ち上がって、これまた一年生の頃から通っている駅前のカラオケへ向かった。

行く途中も着いてからも、椎名とは「よ」以外の言葉は一切交わしていなかった。文字通りひと言だけ。

そもそも椎名が誘ってきたんだから椎名から話しかけてよ、なんて心の中でしょうもない八つ当たりを始めてしまう。

「チナ歌わないの?」

ノリノリでマイクを握っていた乃愛が、マイクを置いてオレンジジュースに持ち替えた。