だけど今はひとつだけわかる。今、本気で謝ってくれてる。
宗司くんのことを忘れていたのは嘘じゃなかった。だけど最後に会った日のことは間違いなく根に持っていた。
あたしが必死に隠していた、自分でも気づかないようにしていた本音を、いとも簡単に暴かれてしまったから。
完全なる八つ当たりだ。
「あの、えっと……違うの。図星だったのもムキになっちゃったのもあたしなの。自意識過剰だって言われたけど、本当にその通りだったから。……あたしこそごめんなさい」
赤信号で止まった宗司くんは、大きな口を開いて「はは」と笑った。
いつものちょっと胡散臭いにこにこじゃなくて、本当に可笑しそうに、子供みたいに無邪気に。
「チナちゃんさ、変わんないよね」
「え?」
「あれはどう考えても俺が悪いし、あんなに怒ってたのに、自分も悪かった、ごめんなさいって。ほんと素直だよね」
「え? え?」
「いい子だね、本当に」
いい子、って。まさか宗司くんに言われるとは……まさか宗司くんがそう思ってくれているとは思わなかった。
だってあたし、宗司くんには嫌なところばかり見せている気がする。
会う度に悪態をついて、態度も悪かった。今だって、会ったのは偶然だったけど送ってもらってる。もう少し待てばバスが来ていたのに、文句を言いながらも結果的に都合よく甘えてるのだ。
宗司くんに見られている〝あたし〟って、〝いい子〟の要素なんかなにひとつないと思うのに。
「……いい子なんかじゃないよ」


