この恋が運命じゃなくても、きみじゃなきゃダメだった。



最後に会った──宗司くんいわく、あたしが一方的に怒っていた日。

「さっきはチナちゃんが一方的に怒ってたとか言ったけどさ。あれは完全に俺が悪かったよ。言い過ぎた。彼氏できたって聞いた時、正直すげえムカついちゃって」

「え?」

「俺のことは全然相手にしなかったくせに、ぽっと出の男と急に付き合うのかよって。全部知ってて受け入れようとしてる俺は無視して、なにも知らない男に逃げんのかよとも思った」

どういう意味だろう。そういえばあの時、宗司くんが怒った理由なんて考えたことがなかった。

──俺と付き合わない?

──俺はチナちゃんがいいんだよ。

そうだ。あたし、宗司くんに告白もどきをされたことがあるんだ。

まさかあれは本気だった?

いや、そんなはずない。だってあれは高二の頃だから喧嘩した日よりも一年以上前のことだし。

まさか、その頃からずっと好きでいてくれた?

いや、それもありえない。だって宗司くんはその頃も屋上で喧嘩をした時も彼女がいたんだから。この人は正真正銘のチャラ男なんだから。

危うく巨大な勘違いをするところだった。

「チナちゃんに言われたことも図星だったんだよ。あの時の彼女のこと、最初に気になったのは名前が『ちな』だったからだし。でも当てつけで付き合ったわけじゃないよ。すげえ一生懸命好きでいてくれてるの伝わってきたし、この子なら好きになれるかもって、ちょっと思ってたから」

思ってたっていうことは、そうならなかったのかな。

前を見ながら話す宗司くんは、うまく言えないけれど、初めて見る宗司くんだった。

「あと……『ちーちゃん』って、呼んでみたかったのかな」

「……え?」

ちょっと……深読みしてしまう。

「まあそんな感じ。だから全面的に俺が悪かったよ。ほんとごめんね」

宗司くんはいつだって、嘘なのか本気なのかわからなかった。