この恋が運命じゃなくても、きみじゃなきゃダメだった。




次に会えたのは一週間後だった。あたしたちは久しぶりにゆったりとした幸せな時間を過ごしていた。

そんな時間をいとも簡単に破壊したのは、ご飯を食べてまったりしていた夜、陸がシャワーを浴びるためバスルームに行った時に鳴ったスマホの着信音だった。

反射的に目を向けると、テーブルに置いてある陸のスマホの画面にメッセージが浮かんでいた。

【りっちゃん、次はいつ会える? ご飯食べに行く? それともまたりっちゃん家?】

もしもこういう場面に遭遇してしまった時、あたしは絶対にものすごくショックを受けて動揺して混乱して、信じられなくて、最悪泣いてしまうと思っていた。

けれど今そうならなかったのは、もうほぼ確信していたのだと思う。

いつもマメに連絡をくれていたのに、たまに突然連絡が取れなくなる陸。そのあとに会うと必ず車にある、いつも同じ銘柄の煙草の吸殻。肌身離さず持っている、サイレントモードになっているスマホ。

女の勘は鋭いと聞くけれど、こんなの誰でも気づくと思う。

今日は油断していたんだろうか。スマホを置きっぱなしにしていることに気づいたらしい陸は、慌ててリビングに戻ってきた。

まだ画面に浮かんだままのメッセージを見て、あからさまに目を泳がせる。

「ごめん、メッセージ見えちゃった」

見えちゃったもなにも、目の前に置いてあるから必然的に目に入っちゃうのだけど。

ていうかあたし、なんで今謝ったんだろう。

陸は観念したのか、それとも言い訳を考えているのか。

目を泳がせたまま、テーブルを挟んであたしの向かい側に座った。