なにかある度に思い出すのは、中学生の頃だった。

まだ純粋でいられた、一番幸せだった頃。

乃愛がいて、友哉がいて──悠聖といた日々。

悠聖と離れてからもうすぐ二年。

今はどうしているんだろうか。仕事は大変だろうけど、無理してないかな。体壊してないかな。

彼女がいるかもしれないし、もしかしたら……もう結婚しているかもしれない。

心から祝福できるかと言われたら、正直……あまり自信はないけど。

優しくて、穏やかで、笑顔が似合う人。あたしに幸せを教えてくれた人。どうか幸せでいてほしい。

──チィ、ずっと笑ってて。俺、チィの笑った顔が世界で一番好きなんだ。

悠聖の願いはあたしの願い。ずっと笑っていてほしい。

あたしが世界で一番好きだった、穏やかな笑顔を絶やさないでいてほしい。

だいぶ遅くなっちゃったけど──あたしもやっと、前に進むからね。