「やっぱりチナはモテるよね。あたしだって男だったらチナ好きになる気がするもん」
「好きって……別にそういうわけじゃないと思うけど」
「まだ好きまではいってなくても、好意はあるでしょ」
瑞穂の方を向きながらも、隣にいる乃愛からの「まだそんなこと言ってんの?」という呆れた視線が突き刺さってくる。
「わたしもそう思うよ。相手のこともっと知りたいって思わなきゃ、ふたりで遊ぼうとは思わないんじゃないかな」
なんとなく一番説得力のある梓に言われると、そうなんだ、と素直に受け入れられた。
陸、本当にあたしのこと気に入ってくれたんだ。
「約束したし、とりあえず遊んでくる」
「あとでちゃんと報告してね!」
「うん。わかったよ」
なぜか楽しそうな瑞穂に、乃愛と梓も静かに微笑んだ。
とりあえず遊ぶだけ。深くは考えない。
遊んでみて、もし本当に陸があたしに好意を持ってくれているなら、それから考えればいい。
そう自分に言い聞かせた。