この恋が運命じゃなくても、きみじゃなきゃダメだった。



初めて目を合わせてくれた陸さんは、茶髪で前髪が目にかかっていてちょっと目つきが悪くて、椎名の大人バージョンみたいだ。

細身で手足がすらりと長く、座っていても背が高くてスタイルがいいことがわかる。目つきのせいかあまりしゃべらないせいなのか、正直ちょっと怖そうな人だった。

お互いの中学校を教え合うと、同じ地元でも端と端だった。まったく知らなくて当然だ。

それから陸さんの話になった。高校卒業後は地元に就職して実家に住んでいること。中学の頃からずっと付き合っていた彼女がいたけれど、少し前に別れてしまったこと。

「いらねーこと言うなよ」と、楽しそうに話していた準くんの肩を叩く。

今の今まで寡黙なイメージだった陸さんは、しゃべると明るくて面白い人だった。

もしかして緊張していたんだろうか。それからは楽しそうに準くんをいじったりして、終始笑っていた。

カフェのあとはカラオケに行って、終電に間に合うよう店を出た。男性陣はまだ飲みたいらしく、そこで解散することになった。

駅前で瑞穂と別れ、あたしと乃愛はふたりで電車に乗った。

「乃愛は準くんと付き合うの?」

さすが実習中にナンパしただけあって、準くんは乃愛にメロメロだった。かといって決して終始デレデレしていたわけではなく、乃愛に話しかけられると嬉しそうににっこり笑う感じ。

第一印象通り、きっといい人だと思う。

「えー、まだわかんないや。告られたら考えるかな」

今乃愛に言い寄ってきている男の人は準くんだけじゃない。

今というか、いつものことだけど。

「チナは?」

「あたしは別に……」

言いかけた時、コートのポケットに入っているスマホが震えた。