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あたしはいつまで経っても、悠聖のことが好きなままで。

いつまで経っても弱いままで。

連絡をしたりなんて、する勇気もなくて。

みんな、どういうきっかけで乗り越えるんだろう。どうしたらまた誰かを好きになれるんだろう。

そんなことばかり考えて──あっという間に、高校生活も終わりを迎えようとしていた。

もはや笑ってほしい。あたしは結局、二年もの間まったく前進できていなかったのだから。

けれどそんなあたしも、自分なりに、ほんの少しずつ、前に進もうとあがいていた。

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