二週間も経てばみんな新しいクラスに慣れてきて、いくつかのグループができ始めていた。

あたしは基本的に乃愛とふたりでいる。他にも仲がいい女の子はいるのだけど、昔から自然と乃愛とふたりでいることが多かった。

友哉の周りにはいつも人が集まっていて騒がしい。椎名も思っていたよりは明るい子らしく、みんなでいる時は誰かにツッコミを入れたりいじったり、よく笑顔を見せるようになった。

考えてみたら、そりゃそうだ。根っからおとなしい性格の子が、あんな騒がしい連中の中にいられるわけがない。

友哉いわく「あいつは人見知りの上に女が苦手なんだよ」らしい。まさか同じタイプだったとは。

普通は共通点があると交流を深めるきっかけになるのだろうけど、この共通点は完全なる例外だ。

いや、例外どころじゃなく、この上なくあたしたちの交流が深まらない理由になる。

はずだった。

「チナ、なんか元気ない?」

給食を食べ終えたあたしと乃愛は、窓側に移動して隣に並んで座っていた。小学生の頃から、昼休みの残り時間をそこで一緒に過ごすのがお決まりなのだ。

暦の上では春とはいえ、まだ冬だと言っても過言ではない気温が続いている。窓の下に設置されている暖房は、ほんのり熱を発していた。