わかってた。そんな気がしてた。
離れることを約束した瞬間から、悠聖はそう言うんじゃないかと思ってた。
だから、
――幸せになって、チナ。もちろん、悠聖くんと。
友哉がくれた言葉に、笑って頷けるはずが、なかった。
「……悠聖」
「ん?」
でも。でも、あたしは。
「あたしたちさ……別れなきゃダメかなあ……っ」
別れたくない。離れたくない。失いたくない。
たとえ今までみたいに会えなくなったとしても、それでも悠聖の彼女でいたい。
たまに会って、また笑い合いたい。
悠聖と、ずっとずっと一緒にいたい。その願いは変わらない。
「……会えないのに、そばにいてやれないのに……お前のこと縛りたくねえんだよ」
嫌だ。嫌だ。嫌だ。
声にならない声で言い続けるあたしに、悠聖は欲しい言葉をくれなかった。
いつもみたいに、いいよって、全部叶えてやるよって、好きだよチィちゃんって――優しく笑って、言ってほしかったのに。
「……チィ、ごめんな。本当はもっと、後腐れないように、お前が俺のことなんかすぐ忘れられるように、ちゃんと別れなきゃダメだってわかってたのに……どうしてもお前の心ん中に残りたいと思ってる。忘れてほしくないって、ずっと俺のこと好きでいてほしいって思ってる」
悠聖は年上だし、いつも落ち着いていて大人で――。
「かっこ悪くてごめん――」
本当に、そうだったのかな。
まだ高校生なのに、悩んだり迷ったりせずに、まっすぐに前だけを向いて歩けるのかな。
悠聖と同い歳の春斗のこと、そんなに大人だと思ったことあったかな。
あたし自身、あとたったの二年でそんなに大人になれるのかな。


