もともと涙腺は強いほうじゃなかったけれど、悠聖と付き合ってからはもっと泣き虫になった。
嬉しい時も悲しい時も、自然と涙が溢れてしまう。
今まではずっと、嬉しい涙のほうが断然多かった。
「寒いからもう家入れよ。急に呼び出してごめんな」
家の前だというのに、あたしはおかまいなしに抱きついた。
悠聖の胸で、たくさん涙を流した。
「……ありがとう」
離れたくない。離したくない。
離れる決意をするために、離れる日まで一緒にいたいと願ったはずなのに、一緒にいればいるほど、離れたくない気持ちがどんどん強くなる。
「じゃあな。おやすみ」
本当に離れるのかな。こんなに近くにいるのに、本当に会えなくなるのかな。
当たり前にそばにいたのに、もう触れることさえもできなくなる。
その現実を、あたしはどうしても受け入れられなかった。


