嫌いなところがあるわけじゃないけれど、欠点のない人間なんかいないってわかってる。
あたしだってきっと欠点だらけなのに、それでも受け入れてくれて、好きだと言ってくれる。
「嘘っぽく聞こえるかもしんねえけど、お前の全部が好きだよ」
あたしも同じ。あたしも悠聖の全部が好き。
好きで好きで、たまらない。
ずっとずっと、一緒にいたい。
「――愛してる」
初めてだった。
好きだよって数えきれないほど言ってくれたけど、愛してるなんて言われたことはない。
「……悠聖?」
あたしも数えきれないほど好きだと言ってきたけれど、愛してるなんて言ったことはない。
好きで好きでしょうがなくて、そう思ったことはある。だけどまだ口に出してはいけないような気がしていた。
「チィちゃん、愛してるよ」
この気持ちをどう例えたら伝わるんだろう。
あたしが持っている言葉の引き出しの中身は数が少なすぎて、この気持ちを表現できる言葉なんて見つからない。
だから、あたしは。溢れてくる想いを堪えきれずに、泣くことしかできなかった。