この恋が運命じゃなくても、きみじゃなきゃダメだった。




夏休み明け、友哉と梓から付き合い始めたと報告を受けた。

あたしが話すのも変だからはしょってしまったけれど、ふたりは入学してすぐの頃からお互い意識するようになり、夏休み前にはかなりいい感じになっていたのだ。

友哉は――中学三年間、全部あたしだったと言ってくれた。

あたしが言うのも変かもしれないけど、本当は苦しい時の方が多かったんじゃないかと思う。

それなのに、卒業式の日、幸せになってと笑ってくれた。

あたしだって気持ちは同じだ。友哉には幸せになってほしいと思ってる。

高校生活は、幸せに満ちた三年間であってほしい。



十月に入った頃、授業中に悠聖からメッセージがきた。

【屋上おいで】

屋上は学校祭の時に一度だけ一緒に行ったきりだった。

授業をさぼるなんて怖くてできないと頑なに拒んでいたから、授業中に誘われたのは初めてだ。

いつもなら行かないけれど、悠聖はもうすぐ卒業してしまう。あっという間に冬が来てしまうし、一緒に屋上に行けるのは今日が最後かもしれない。おまけに今は苦手な数学だ。

恐る恐る立ち上がり、頭痛薬のCMに出ている女優を思い出しながら、眉根を寄せて目を細めて指先をおでこにあてて、具合が悪いから保健室に行くと先生に告げた。

いや、授業についていけず若干頭痛がするからあながち仮病ではない。

内心ビクビクしながら心臓はバックバクなあたしをよそに、先生はあっさり「辛かったら早退していいからな」と言ってくれた。

普段から真面目に授業を受けていてよかったと思う。いや、もしかしたら実はあたしに演技の才能があったのかもしれない。