この恋が運命じゃなくても、きみじゃなきゃダメだった。



「幼稚園の先生だっけ。すげえ想像できんな、子供に囲まれて笑ってるチィちゃん」

悠聖に将来の夢を話した時、真っ先に「絶対合ってる」と言ってくれた。

悠聖になにかを話した時、否定されたりしたことがあっただろうか。

考えるまでもなく、一度たりともそんなことはなかった。

いつだってあたしのことを応援して、尊重して、認めてくれて、信じてくれる。

「ねえ、悠聖は子供好き?」

「好きだよ」

「何人ほしいとか考えてる?」

「三人」

「あ、あたしも。自分が三人きょうだいだからかも」

「ああ、確かに。俺もそうかも」

「名前は? 考えたことある?」

「さすがにまだねえよ」

「自分の名前からとろうとか考えないの? 悠聖なら〝悠〟でも〝聖〟でもかっこいいよね」

「〝悠〟はないな。いい加減しつこい」

確かに。

悠聖のお父さんは〝悠〟っていう字が好きらしく、妹さんは〝望悠〟ちゃんで、お兄さんは〝悠臣(ひさおみ)〟さんだ。

名前は一番最初にもらう愛情だと聞いたことがある。好きな字をつけるって素敵。

名前を考える時、まだお腹にいた悠聖たちのことが愛しくてしょうがなかったんじゃないかと思う。

「そーいやお前、三月生まれなのに〝夏〟だよな。なんで?」

「お母さんが冬生まれの〝冬子(とうこ)〟で、お姉ちゃんが秋生まれの〝秋穂(あきほ)〟で、春斗も三月生まれなんだけど、〝冬〟は使ってるから〝春〟にしたの」

「まあ三月ならおかしくないよな」

「うん。でもあたしも三月に生まれちゃったからね、余ってたのが〝夏〟だったの」

「はは、余ってたって。可哀想に」

自分でも思う。名前が余り物ってどうなんだろう。