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少し長くなってしまったけれど、ここまでが実質のプロローグになる。

友哉と別れてから――いや、失恋した乃愛の姿を見た日から、恋をしたいという気持ちが強くなった。

同時に、あたしには当分無理なんじゃないかという気持ちも強くなっていた。なにせあれだけ好きになってくれた人を好きになれなかったのだから。

そんなあたしは、またまた想像していた時期よりも少し早く初恋を経験することになる。

彼との出会いは、やっと雪が解けて、あたしの故郷である北国の長い長い冬が終わり、待ちに待った新学期を迎えた日のことだった。

あたしの物語、第一章の始まり――とでも言っておこうか。

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