悠聖はどうしていつもあたしが喜ぶことをしてくれるんだろう。
どうしていつもあたしのことばかり考えてくれるんだろう。
どうしていつも、あたしを満たしてくれるんだろう。
「歌もうまかったけど、スーツ似合うね。めっちゃかっこいい」
「チィも可愛いよ。見とれちゃったもん。そーいや俺も写真撮っていい?」
「今? なんか恥ずかしいから嫌だよ。なんでさっき撮らなかったの?」
「チィだけ撮りたかったから。みんなに悪いだろ」
みんなで撮ればいいと思うんだけど。
でも特別扱いしてくれるのはやっぱり嬉しい。
「写真ならあるよ。みんなでいっぱい撮ったもん。あたしだけ写ってるのもある」
「全部ちょーだい。可愛すぎて見た瞬間にやけた」
それを聞いてあたしがにやけてしまう。まんまと調子にのったあたしはドレス姿の写真を全部送った。
「これ自分たちで作ったんだろ? 完成度高いよな」
「ね! 恥ずかしかったけどね、ステージ立ったらなんか感動しちゃった」
「俺も感動した」
「最初はウェディングドレスにしようって話してたんだけどね、やっぱ着るなら本物着たいし、カラードレスのほうが華やかだよねって話したの」
「女の子だな。チィも本物着たいの?」
たぶん悠聖はなんとなく聞いただけなんだろうけど、あたしは少しドキッとした。
着たいって答えたら、悠聖はなんて言うんだろう。
「……うん」
あたしもなんだかんだ乙女だから着たいに決まってる。
でもなんか、「着たい」って言うのは妙に恥ずかしい。
悠聖と結婚したいって、言ってるみたいで。
「チィちゃん、照れてる?」