「悠聖……宗司くんと仲いいの?」
悠聖の部屋。この一年間ずっと通っているから、もう自分の部屋と同じくらい落ち着く。
「え? なんで?」
悠聖はゲームのスイッチを入れようとした手を止めて目を少し大きくした。
「さっき仲良さそうだったから」
ふたりの会話は違和感だらけだった。いや、普通の会話だったけど、あたしからしてみれば違和感だらけ。
「ああ、あいつ中学ん時に部活も同じだったからな。会ったら普通にしゃべるよ」
「そうなんだ。家も近いって……」
「ああ……まあ近いっちゃ近いか。あと妹と仲いいからうち来たこともあるよ」
あたしは勝手に、悠聖と宗司くんは仲が悪いのだと思っていた。
思っていたというか、悠聖が宗司くんに彼女がいることを教えてくれた時にそう思った。仲がいいなんて意外だ。
まあ同じ高校だとしても害はないし、別に気にすることじゃないか、と自己完結した。
だって、もう関わることはないんだから。