この恋が運命じゃなくても、きみじゃなきゃダメだった。



乃愛にちゃんと別れたことを告げると、「チナ見てたらほんとにイライラした」と怒られた。

「友哉いい奴でよかったね」

「うん。ほんとにそう思う」

長期連休は毎日のようにお互いの家に泊まり合うのが恒例だ。この日も夜中まで乃愛の部屋ではしゃいでいた。

「じゃあやっちゃいますか!」

やっちゃう? なにを? よくわからない。なにかする約束してたっけ。

ぽかんとしているあたしに乃愛が差し出したのは意外な物。

「ふたりで恋探ししよう! あたしも彼氏ほしいし!」

満面の笑みで市販のブリーチ剤を掲げた。

「彼氏つくるのと髪染めるのって関係あるの?」

「ちょっと派手なほうが可愛じゃん。ちょうど冬休みだし、やっちゃおうよ」

「そう? てか冬休みじゃなくてもあんた茶髪でしょ」

もともと派手好きな乃愛の髪は学校祭の時よりもさらに明るくなり、今はキャラメルみたいな綺麗な色。最近は胸が隠れるくらい長い髪を綺麗に巻くようになった。

「あたし気づいちゃったんだけど、もともと可愛いのは知ってたんだけど、なんか超モテるっぽい」

乃愛はとても綺麗な子だ。

彼氏がいないとなればモテるのは目に見えていたけれど、さすが乃愛。そのモテってぷりが半端じゃない。隣にいるあたしが惨めになるくらい。