この恋が運命じゃなくても、きみじゃなきゃダメだった。




冬休み明けすぐに行われた入試。頑張ってきた分を本番に全部ぶつけた結果、三人とも無事に合格した。

そして三月十二日、あたしたちは中学を卒業した。

一年前のこと、鮮明に覚えてる。悠聖とデートの約束をして、一週間後にデートして、悠聖の彼女になった。

一年であたしはなにが変わっただろう。

少しは成長できたかな。少しは大人になれたかな。自分じゃ全然わからないし自信もないけれど、少しは……ほんの少ーーーしくらいは成長していると思いたい。

卒業式で大号泣したあとは、クラスのみんなでカラオケで卒業パーティーをした。

別れを惜しみながら、けれど門出を祝うように、それぞれの未来を応援するように、カラオケルームは笑顔で溢れていた。

「チナ」

いくら広いパーティールームでも、三十人もいるとさすがに狭いし酸欠状態だ。

部屋から出て非常階段で休憩しているあたしに声をかけてきたのは友哉だった。

「疲れた?」

「うん、ちょっと。でも楽しいね。友哉はどうしたの?」

「渡したいもんあって」

そう言った友哉は学ランのポケットからピンク色のリボンが巻かれた小さな箱を取り出した。

「……え? これってもしかして」

「誕生日プレゼント。当日は悠聖くんと会うだろ? だから今のうちに渡しとく」

丸い目を細めて無邪気に笑う。

「嬉しい。ありがとう。開けていい?」

「いいよ」

リボンをほどいて包装紙をはがす。

箱を開けると、中に入っていたのは、ピンク色のキラキラしたお花だった。

まるでお菓子みたいな可愛い花。

「可愛い……」