この恋が運命じゃなくても、きみじゃなきゃダメだった。



なんとなくそんな感じがした。うまく言えないけれど、悠聖がいつもと少し違って見えた。

本当だね。〝ただの友達〟と〝昔なにかあった人〟は、全然雰囲気が違うんだね。

小さく息を吐いた悠聖は、ソファーに座ってうつむくあたしの前にしゃがんで両手を繋いだ。

「チィ。わかってると思うけど、俺はチィが好きだよ。なにも心配することないから」

少し困った顔の悠聖。

無理はないと思う。今までふてくされることは何度かあっても、こんなふうになるのは初めてだ。

「……ごめんなさい」

せっかく一緒にいるのに、こんなにいじけて空気壊して最低だ。

それにあたしは悠聖に怒れない理由がある。

「ごめんなさい。あたしなんて友哉と……元彼と遊んだりしてるのに。悠聖のこと責める資格ないのに、ヤキモチ妬いちゃった」

今は親友として仲良くしてるとはいえ、元彼は元彼だ。たまに遊ぶどころか学校では毎日一緒にいる。

もし悠聖があの人とよく遊んでいるとしても、あたしはなにも言えない立場なのに。

「いや、いいよ。友哉のことは気にしてねえし、俺もあいつ気に入ってるし」

悠聖は握っていた手を離して隣に座ると、大きな手であたしの頭を優しくなでた。

どうしてこんなに優しいんだろう。絶対にあたしが悪いのに、悠聖は決してあたしを責めない。

「……悠聖、なんでそんなに優しいの?」

「好きだから。他に理由ある?」

付き合ってから約五ヶ月、一度だって悠聖が怒ったりイライラしてるとこなんて見たことがなかった。

「好きだよ、チィちゃん」

だからあたしは、自分がどんどんわがままになっていること気づきもせずに、悠聖に甘えきっていた。