「は⁉ ……やべ、てめーざけんな!」

……先生⁉

ずっと余裕綽々だった悠聖も慌てて立ち上がる。

みんなが道を空けてドアの前がすっきりしたと思ったら、真ん中からずいぶんと貫禄のある男の人が姿を見せた。

「悠聖! お前学校でなにやってんだ!」

「ちょ、待って! マジで! 誤解だから!」

「言い訳すんな! このバカが!」

悠聖は右手で顔を覆い「はあー」と深いため息をこぼす。

あたしも慌てて立ち上がると、悠聖の担任らしきその先生はあたしを見て首をかしげた。

「ん? うちの生徒じゃないよな?」

「……それ、俺の妹」

春斗も教室に入ってきて、先生の隣に立つ。悠聖と同じように、手で顔を覆って深いため息をついた。その後ろでは、みんなケラケラと笑い転げている。

あたしは恥ずかしさのあまり真っ赤になってうつむくことしかできない。

怒られるのかとビクビクしていたら、先生は「月曜は朝一で説教だからな」と言いながら、悠聖と春斗の頭を軽く叩いた。

……春斗、なんかごめん。