この恋が運命じゃなくても、きみじゃなきゃダメだった。




修学旅行後の土曜日、お土産を渡すため悠聖の家に行った。

暖かくなってから自転車に乗り始めた悠聖。あたしはママチャリの荷台に乗って後ろから悠聖に抱きつく。そんな小さなことも幸せだった。

家に入ると、あたしは先に悠聖の部屋に向かう。悠聖はリビングに寄って、お菓子とジュースを持って来てくれる。悠聖が好きなコーラと、あたしが好きなパックのココア。

テーブルに並べたらゲームを開始する。それがルーティンだった。

「なにする?」と言いながら、少し落ちていた髪を耳にかける。この仕草がなんだか妙に色っぽくてけっこう好きだ。

変態か、あたし。

「あ、待って! お土産あるの!」

床に置いたバッグからそれを取り出す。

「はい!」

「はは、ありがとー。開けていい?」

「もちろん!」

ガサガサと音を立てながら、小さな紙袋が開かれていく。悠聖の大きな手に、小さなキーホルダーとポストカードが乗った。

「これ、函館の夜景?」

「うん。悠聖、あんまり覚えてないって言ってたでしょ? だからね、見せてあげたかったの!」

写真は送ったものの、スマホで撮ったものじゃあの感動を伝えきれないと思ったのだ。

悠聖はじっくり眺めて、ハート、と呟いた。

「ん?」

「ハート見つけた」

長い人差し指で〝ハート〟を指さす。

「あ、一緒だ!」

「一緒って? ひとつしかないんじゃないの?」

「ううん。なんかね、違う場所差してる子もいたの」

「違う場所?」

帰りのバスでガイドさんから聞いた話だと、正解はもちろんひとつらしいのだけど。