スマホで夜景の写真を撮って、悠聖に送った。
ふたりきりで来た時に一緒に見たいから、本当は写真を送るつもりもなかった。だけどやっぱり悠聖にも見てほしかった。
あたしが感動しているこの景色を、今、悠聖にも一緒に見てほしかった。
送信してポケットにしまうとすぐに鳴ったスマホ。悠聖からだ。
【綺麗だよな。俺も中学の修学旅行で見たけど、やっぱチィと一緒に見たい】
きっとこの景色は何度見ても飽きないし、何度でも感動すると思う。
優しく微笑んでいる悠聖を想像したら、途端に、無性に悠聖の声が聞きたくなった。乃愛に言ったら、みんなと一緒にいるから電話しなよと言ってくれた。
呼び出し音が鳴る。電話なんてもう何度もしているのに、少しドキドキした。
『もしもし? どうした?』
三日ぶりの悠聖の声。
「声が聞きたくなった」
素直に言うと、悠聖は電話の向こうで少し笑った。
『チィ、いいこと教えてやろうか』
「ん?」
『夜景の中に〝ハート〟ってあるから探してみ。恋が叶うんだってさ』
そういえばバスガイドさんがそんなことを言っていた気がする。バスの中はずっと乃愛と話していたから、あまり聞いていなかったけれど。
「もう恋は叶ってるんだけど。その場合はどうなるの?」
『あー……その手のジンクス的に、〝恋人とずっと一緒にいられる〟とか? 知らんけど』
それなら話は別だ。
「じゃあ絶対見つける‼」
急に張り切るあたしに、ほんと可愛いな、と笑った。笑顔を想像したら、余計に会いたくなってしまった。


