この恋が運命じゃなくても、きみじゃなきゃダメだった。



アウターを脱いで、とりあえずふたり掛けのソファーの左側に座った。

部屋はわりと片付いてるけど、床にはゲーム機とソフトが散乱している。本当にゲーム好きなんだって、ちょっと可笑しい。

きょろきょろと部屋を見渡していると、しばらくしてお菓子とジュースを持った悠聖が戻ってきた。

脇にコーラを抱えて、手にはパックのココア。あたしが一番好きな飲み物だ。

「ココア! 用意しといてくれたの?」

「だってお前いっつも飲んでんじゃん。俺ほんと優しいよな」

「うん! ありがとう!」

用意してくれたコップにココアを注ぐ。悠聖はペットボトルのままコーラを飲んだ。

「悠聖、お父さんとお母さんは? あたしご挨拶するべき?」

「いないからいいよ。いっつもふたりで出掛けてるから、土日はほとんどいねーな」

「仲いいんだね」

もしいたら緊張するけど、悠聖のお父さんとお母さんに会ってみたかったから、残念のような少しほっとしたような。

だけどやっぱり会ってみたい気持ちのほうが大きい。絶対にいい人なんじゃないかと思う。いつも穏やかで優しい悠聖のご両親なのだから。

「あ、兄妹は?」

「兄貴はもう結婚してるからいねーよ。妹はたぶん男んとこ行ってるし、土日はだいたい誰もいない」

「そっか。寂しくないの?」

「むしろ楽。うちの家族うるせえし。チィんとこはいっつも母ちゃんいるよな。チィと春斗にそっくりの。完全に将来のチィだよな」

悠聖はお父さん似らしい。それを聞いて、お父さんに会ってみたい気持ちが強くなった。

将来の、悠聖みたいなのかな。