この恋が運命じゃなくても、きみじゃなきゃダメだった。




悠聖はいつも、どんなに早くてもお昼過ぎに来る。

他の友達は早い時間から来る人もいるのに、なんで悠聖は早く来てくれないのって文句を言ったら、朝は苦手なんだと言われた。

あたしは朝が得意なわけじゃないけど苦手でもないから、十時に悠聖の家へ行くことになった。

もっと早く会いたいと言ったら、さすがにそんな早くは起きれないと言われたから、ブーブー文句を言いながら承諾した。

バスに乗って、指定されたバス停へ向かう。着いたと連絡したら、すぐ近くのコンビニから、眠たそうな悠聖が出てきた。

「おそよう」

明らかに寝起きの悠聖に嫌味を言ってみたら、じゅうぶんはえーよ、って大きなあくびをした。

「おうち、すぐ近く?」

「近いよ。徒歩二分くらい」

「そっか。あたし手繋ぎたい」

あたしはすっかりご機嫌だった。念願の悠聖の部屋。

いーよって笑った悠聖は、あたしに向かって左手を伸ばした。その腕に抱きつくと、「手繋ぎたいんじゃねーのかよ」ってまた笑った。

「悠聖、なんかいつもとちょっと違ういね」

「三十分くらい前まで寝てたもん。シャワー入って着替えただけ」

ああ、だからか。

いつもワックスで綺麗にセットされている髪は、いつもより落ち着いていて、ブラウンの髪がサラサラと揺れている。

いつもと違うオフの悠聖を見るのは初めてで、すごく新鮮な気分だ。

悠聖の部屋は二階の一番奥。先に行っててと言われて、ひとりで部屋へ入った。

ドアを開けると、主に白黒で統一されたシンプルな部屋。春斗の部屋と同じくらいの広さだけど、物が少ない。悠聖の香水の甘い香りがした。