「あたしやっぱりガキくさいのかな」
困った時は乃愛だ。恒例のお泊まり会で、恒例の深夜相談会。
「まあ大人っぽくはないよね」
「……やっぱり?」
意地悪のつもりで言ったらしい乃愛は、あたしが本気で落ち込んだのを見てあたふたする。
冗談を聞き入れられないくらい真剣に悩んでるのだ。
「冗談だってば。単純にさ、大切にされてるんだよ」
そうなのかな。大切な女の子には、キスさえできないものなのかな。
もしそうなら嬉しいけれど、せっかく正式に付き合ったわけだし、もう我慢する必要ないのに。男の人ってよくわからない。
「てゆーか、まだ付き合って二週間くらいでしょ? 悩むことでもないじゃん」
「んー……まあ、そうだよね」
だけど基準がわからない。付き合ってどれくらいでするのが普通なんだろう。
あたしの周りは乃愛を筆頭に大人びていて、経験済みの子もひとりやふたりじゃない。
あたしは心の準備万端だし、悠聖は高校生だから、すぐにするものだと思っていた。
「我慢してた」って言ってたから、付き合ったらもう我慢しないのかな、とか。
「まあ、でも気持ちはわかるよ。好きな人とは隙間もないくらい繋がってたいよね。悠聖くん、もうすぐ誕生日なんでしょ?」
「うん」
「プレゼントあげて、雰囲気つくってみれば?」
乃愛がプレゼント選びを手伝ってくれることになって、あたしたちはいろいろと計画を練った。
悠聖はあんなに素敵な誕生日をくれたんだし、あたしもなにかしたい。