この恋が運命じゃなくても、きみじゃなきゃダメだった。



家に着いたのは二十時過ぎだった。バイトから帰ってきていた春斗の部屋には今日も友達がたくさん来ていて騒がしい。

悠聖は春斗の部屋に行った。

誰にも邪魔されず余韻に浸りたかったあたしは、なんとなく間接照明だけつけた。

部屋に入るとさっそく毛布にくるまる。ただでさえ寒い中けっこう歩いたし、すっかり体が冷えきっていたから、小さな電気ストーブだけじゃ温まらない。

お出かけは終わったわけだから(付き合っているわけじゃないからデートと言うのはちょっと変な気がする)そのまま春斗の部屋にいるのかと思っていたら、十分くらいすると悠聖はあたしの部屋に来た。

毛布にくるまっているあたしの姿を大きな目で捉えると、その目を怪訝に細めた。

「お前さ」

「なに?」

「それやめたほうがいいよ」

「それ」って、毛布にくるまっている「これ」だろうか。

「なんで?」と返すと、悠聖は真顔のまま続けた。

「可愛いから。それ男の前でやんないほうがいいよ。襲ってくださいっつってるようなもん」

冷え切っていたはずの体が一気に熱を帯びた。

瞬時に膨らんだ心臓が喉を圧迫しているみたいになって、声が出なかった。

悠聖がそういう〝男〟と〝女〟を意識するようなことを言うのも、「可愛い」って言われたのも初めてだ。

「だ、だって、あたしの部屋寒いから! それにDVD観た時だって一緒に入ったじゃんっ」

「ド阿呆かお前は。あの時はみんないただろ。そんなこともわかんねえの?」

「だ、だって、」

「なにしたら男が欲情するかくらい頭に叩き込んどけ、このドアホ。今すぐ押し倒すぞマジで」

攻撃態勢に入った悠聖は止まらない。