「恭子、切った?」

慎二さんが寝室から降りてきて、落ち着いた声で尋ねた。

指がかなり流血している。



「切っちゃった〜」
あたしは涙目で慎二さんに言った。


「ん。大丈夫。根元の方抑えて止血しといて」

慎二さんは手際よく救急箱を取り出して、私に手当てをした。