「え?加賀美さんなの?」
「違う、けど、なんで」

すると彼は微笑んで言う。

「加賀美さんはそういうことしないでしょ?」


……うれしい。



「うん」

小さくつぶやく。



彼の優しさに涙が溢れそうだった。




「るーなちゃん。おはよ」
「あ、おはよ」


顔を上げると佐藤くんがいた。

「るなちゃん、ちょっと来て?」

と言われて人気のない階段に連れてこられる。