7月12日

帰ってくるといつも 
ひとりぼっちだ

さちはともだちの家に
行きっぱなし

父さんと母さんが
ケンカをしていた日から
家の中が何となく変わった

せんたくものだって
毎日なんてめんどうくさい

ばんごはんの時も
みんなあまり話さなくなった

さちとテレビを見ていると

「宿題やったの?」
母さんが必ず聞く

毎日聞く

それもぼくばっかりだ

まあ、さちはしっかりしているからな

「お兄ちゃんのくせに・・」

一日に何回も言う

あ~あ、何かいいことないかな?

父さんの帰りも遅いし

母さんは何となくイライラしている

変な家になっちゃったな


7月15日

帰り道、みきちゃんが泣いていた

ぼくはびっくりした

どうしたのかな?

すごく気になったけど
だまって通りすぎた

だけどやっぱり気になって
ぼくは、道をかえて
急いでひきかえした

みきちゃんはドブの中を
のぞきこんでいた

そうか!何か落としたんだ
ひろってあげたいな

みきちゃんがかわいそうだった

でも、ゆうきがなかった

先生が長い棒をもってやってきた
すぐに何か引っぱりあげていた

絵の具入れだった

「あの時、すぐにひろってあげれば
よかったな・・」

夜、ふとんの中で

ぼくがみきちゃんを

助けているところを

そうぞうして、後悔した