父さんが酒ばかり飲んで
うつろな目をしているのも
僕は許せなかった

うつむいて
母さんになじられ・・

何か頑張れば出来ること
あったはずだと思う

昔みたいに
笑って威張ってる
父さんが
僕は好きだった

金のせいで家族がどんどん
バラバラになっていった

なんであの時
みんなで話し合えなかったんだよ

金に困ってるくせに
塾に行けって言うし

塾なんてどうでもよかった

それより僕は
みんなで笑っていたかった

よく3人で行った
遊園地があったビル

今、この部屋からよく見える

楽しかった・・

あの頃母さんは
いつも笑っていた

そうだ、あの場所が
僕の最後にふさわしい

僕がいなくなったら
誰か僕のために
泣いてくれるだろうか

僕の本当の気持ち
誰にも話せなかった




さよなら母さん

小さい頃よく食べた
シャケのおにぎり
うまかった

ケーキがうまく焼けると
得意げに笑った
母さんの笑顔を
ぼくは忘れないよ

ほんとうは

ずっとそんな母さんで
いてほしかった


さよなら父さん

父さんは
お人よしかもしれないけど
僕はそれも悪くはないと思う

金なんかに
振り回されないで
父さんらしく
生きてほしい