オリヴァーの過去は私にそっくりだった。

唯一違うのはまだオリヴァーの父親が、変わってしまったとしても生きていることだ。

私の声がオリヴァーのママに似ていたから、ということにはすごく驚いた。

そして声変わりしたから…ということにはショックを受けた。

私たちの絆はそんなものだったの?

あのオリーブの木を一緒に植えて、一緒にそこで歌って、大人になってもそこに戻ろうと言ったのは嘘だったの?

オリヴァーの手紙を読み進めていくうちに涙があふれてきた。

涙が手紙を濡らしていく。けれどもその水はすべてを流さなかった。

手紙の文面からはオリヴァーの誠実さが伝わってきた。

何も隠さずに気持ちを綴ってくれている。

最後には、「もしよければ返事を下さい」と書いてあった。

私は迷わず返事を書いた。

私も、何も隠さずに自分の過去を手紙に記す。

そして今までの思い出がいかに楽しかったのか、ありのままに書いた。

ようやく私の心の時計が動き始めた。