今日も例のモニュメントへと向かう。

もう彼がいた。

オリヴァーだ。

いつものストローハットをかぶって、ヴァイオリンを奏でている。

気づけば彼と出会ってから１か月が過ぎていた。

私の気分も上がってスキップをして彼のもとへと急いだ。

「待った？」

私の声に彼のヴァイオリンを奏でている声が止まる。

「うん、少しだけね」

普通は待ってないよ、と言うのではないのか。

「どれくらい待った？」

「うーん、3分くらいかな」

「それ待ったって言う？」

オリヴァーはにやっと笑ってまたヴァイオリンを弾き始めた。

そして私に尋ねた。

「今日は何を歌う？」

「そうだね。じゃあこの曲はどう？」

私はゆっくりと目を閉じて歌い始めた。

私の音色に合わせてオリヴァーがヴァイオリンを奏でる。モニュメントは一瞬にして演奏場へと変わった。

たくさんの動物たちが集まってきて静かに私たちの曲を聴いている。

とても幸せだった。

モニュメントの間から光が差し込んで私たちに明るいスポットライトを当てていた。