『この話をまだ続けるつもりなら、場所変えるわよ?』
そう言って実瑚に冷めた瞳を向けて席を立った…
実瑚は黙って頷いた。
私は小さくため息を吐き教室を出て行く。
実瑚も後に続く
『実瑚…なんで勝手にそんな約束するの?』
誰もいない渡り廊下で実瑚を真正面から見つめてそう言い放つ。
実瑚は私と目を合わせず俯いて
「だって…彼に幸せになって欲しかったから。瑠美音と。」
と小さく言った。
『実瑚が彼にした約束はすごくいい加減すぎる』
私がそう言うと顔を上げた。
「っ!?そんなこと」
『っていうか実瑚…軽い調子で言ったんじゃないの?向こうは本気にしてないと思うけど。』
「どういう…意味?」
『だから、私とカップルにしてみせるってのは意気込みみたいなもんでしょ?約束っていうより。』
「意気…込み?」
私は頷いて
『実瑚は彼を応援するためにサポート役としてそばに居たじゃん?だからそれは約束っていうよりもあくまで目標みたいなもんでしょ?』
と言った。


