小悪魔と仮面舞踏会


『そんなの…知らないよ。実瑚が勝手に彼と約束したんじゃん。私は何も知らなかったわけだし。』

私がそう言うと

「瑠美音…ひどいっ!!私たち親友じゃないの?ひどいよ!!」

と泣きそうな顔をして言ってきた。

そんな実瑚の姿に腹が立った…。

こういう時だけ

“友達”“親友”

そういう立場を使う。

私の心はこのときには

もう既に冷めきっていて

実瑚を親友とも友達とも

思わなくなっていた。

都合良すぎでしょ?

今までずっと谷元君に付きっきりで

私のことなんてほったらかしだった。

おまけに私と彼を強引にくっつけようと

人の気持ちなんて考えず

自己満でしかないむちゃくちゃな行動をしたり

私と実瑚の友情なんてもう消えてしまったんだ…。

いとも簡単に…。